さいたま市ランドコーディネーター協議会ブログ

2016年6月4日土曜日

トマトの園へ:2016年第一回目の農家見学会




20161回目の農家見学会は、岩槻区のトマト農家・小島崇さんをお訪ねしました。小島さんは、会社員を経てから農家を継いで就農8年目。ご家族3人でトマト、ナス、ねぎ、イタリア野菜を、可能な限り農薬を使わないよう工夫しながら栽培しているそうです。今日はトマトの栽培を中心にお話を伺いました。
小島さんのトマトは、礫耕(れきこう)栽培という方法で作られています。礫耕栽培とは、水耕栽培に近いもので、土ではなく砂利で苗を育てる方法(下の写真参照)。天候やトマトの生育状況をみながら、毎朝、肥料を入れた水(溶液)を補充し、甘味や酸味を調整しているのだそうです。土耕栽培より手間がかかることもあり、この方法をとっている農家は、さいたま市内では数少なくなっているそうです。
ハウスに入ると、受粉のために共生させているというミツバチたちの姿がありました。「攻撃しなければ大丈夫」といわれていましたが、ミツバチの存在感に少し気後れしたのは否めません。植物と蜂の関係は太古からの神秘であることを思い出して、その共生の仕組みの現場に立ち入ることに敬意を払いつつ、トマトの園に潜入しました。
大玉トマト「豊作祈願」
「豊作祈願」という大玉トマトはまだ緑の状態でしたが、赤、黄色、オレンジの他に、グリーンや茶色のミニトマト、ヨーロッパ野菜ミニトマトのシシリアン・ルージュが色付いていました。茶色や、特に緑のミニトマトは珍しいですね。小島さんは約2,000の苗を育てているということでしたが、同じ苗から育つ、成長具合の違うたくさんの小さなミニトマト。その様子を日々確認しながらの収穫作業は、どれほど手間のかかることでしょうか。
トマトのハウスを出てから、メロンのハウスを拝見し、ヨーロッパ野菜の赤い玉ねぎ畑を見学。「トロペア」(上の写真)というこの玉ねぎを特別に買わせていただき、ワクワクして持ち帰って包丁を入れたら、涙でいっぱいに・・・。今夜はオリーブオイルでソテーにしてから鶏肉とチーズ焼きにし、とろける甘さにうっとりしながらいただきました。



小島さん親子
埼玉県は農業のイメージがあまりないようですが、農業産出額は全国でも上位に位置し、ねぎ、ほうれんそう、さといも、こまつなをはじめ、ブロッコリーやえだまめなどもトップクラスの生産量を有する農業県です。
その中でさいたま市は、都心に近いにも関わらず、首都圏としては貴重で大規模な緑地空間の見沼田圃や、荒川・綾瀬川・元荒川地域に広がる水田地帯をはじめとした優良農地を有していますといったことを、ランドコーディネーターの講座で学びました。
育ちゆく農産物が持つパワーと、生産者の皆様の清々しい表情に出会え、講座に通ってよかったと改めて感じます。採れたての野菜でたっぷりの夕食をいただきながら、ワインが進みました・・・(穂)